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OEMでオリジナルのパーマ剤・カーリング剤を開発するメリットとポイントを解説

2022.03.29

パーマとは?

パーマとは「パーマネントウェーブ(permanent wave)」の略で、「髪型を長持ちさせるため、頭髪を化学薬品や熱で処理し、人工的にウェーブをつける美容技術」また、その髪型のことです。

カールアイロンなどでつける一時的なウェーブに対して、「永久的(permanent)に形の崩れないウェーブ」という意味から生まれました。

パーマの歴史と山栄化学

パーマの起源は、紀元前3000年の古代エジプトで、貴婦人たちが毛髪に湿った土を塗って木の枝などに巻き付け、天日で乾かしウェーブを付けたとされています。
パーマが現在の形に近づいたのは1940年頃のアメリカで、マックドナウ等によってチオグリコール酸を主剤とするコールドパーマが開発されました。
日本では、1950年代前半にコールドパーマが徐々に普及し始めました。
当社は、1950年に山栄化学研究所として創業し、パーマネントウェーブ用油剤「エマコール/EMACOL」を開発、製造販売を開始しました。以来70年以上にわたってパーマ用、カラー用を始めとする美容室向け頭髪用化粧品・医薬部外品原料を開発、製造、販売しております。

パーマのメカニズム

パーマがかかるしくみやパーマ剤の構成成分について簡単にご説明します。

パーマは、毛髪内部の結合を薬剤の化学反応により組み替えることでかかります。

具体的には、1剤(還元剤)で毛髪内のシスチン結合を切断し、2剤(酸化剤)で再結合させることで形が固定されます。

 

1剤の構成と役割

1剤は、次の成分で構成されています。

  • 還元剤:有効成分。毛髪中のシスチン結合を切断し形を変えるための土台をつくる。
  • アルカリ剤:毛髪を膨潤させて還元剤を浸透しやすくする。毛髪内部の塩結合を切断。
  • 添加剤:pH調整剤、毛髪保護剤、保湿剤、香料、コンセプト成分など。
  • 溶剤:上記成分を溶かす成分。水であることがほとんど。

 

2剤の構成と役割

2剤は、次の成分で構成されています。

  • 酸化剤:有効成分。1剤の還元剤で切断した毛髪内部のシスチン結合を再結合させる。
  • 添加剤:pH調整剤、毛髪保護剤、保湿剤、香料、コンセプト成分など。
  • 溶剤:上記成分を溶かす成分。水であることがほとんど。 

パーマ剤とカーリング料

パーマの薬剤は、大きく次の2つに分類されます。

 

  • 01医薬部外品:パーマネント・ウェーブ剤(パーマ剤)

    「毛髪にウェーブをもたせ、保つ」及び「くせ毛、ちぢれ毛又はウェーブ毛髪をのばし、保つ」の効能・効果をうたう頭髪用の外用剤と定義されています。

    パーマネント・ウェーブ用剤承認基準に基づき、処方検討・製剤化を行います。

    有効成分や配合成分の種類や分量など細かく規定されています。

    パーマ剤を製造販売するためには、医薬部外品の製造販売業の許可を得て、個々の製品についてあらかじめ厚生労働大臣または都道府県知事へ承認の申請を行う必要があります。

  • 02化粧品:洗い流すヘアセット料(カーリング料)

    化粧品のため、企業の自己責任で配合成分・配合量を自由に設定できますが、消費者の安全確保を目的として日本パーマネントウェーブ液工業組合により自主基準が制定されており、現在は平成25年12月に改正された「洗い流すヘアセット料に関する自主基準」を基に処方検討を行います。パーマ剤と誤認されるようなパーマ、ウェーブ等の効能表現、及びウェーブ毛髪をのばす、あるいは縮毛矯正等の効能表現はできません。

サロンオリジナルのパーマ剤・カーリング剤を開発するメリット

  • 他店との差別化
  • パーマに対する苦手意識の解消やモチベーションのアップ
  • 薬液の強さ、操作性、ウェーブのかかり、質感など、細かなこだわりまで反映することで、扱いやすい薬剤となり、スタッフのパーマ技術が向上

 

医薬部外品タイプのパーマ剤の場合、承認申請、審査に非常に多くの時間や費用が必要となります。

化粧品タイプのカーリング剤の場合は、書類審査がなく、届出から即日販売可能となります。

オリジナル商品の開発は、カーリング剤がおすすめです。

オリジナルパーマ開発のポイント

  • 01規格の選定

    医薬部外品の場合

    • 1剤の有効成分:チオグリコール酸系、システイン系の2種類から選択
    • 1剤の加温の有無:コールド式、加温式、用事調製発熱式
    • 2剤の有効成分:臭素酸塩、過ホウ酸ナトリウム、過酸化水素
      ※現在ではほとんど使用されていません

    化粧品の場合

    • 1剤の有効成分:亜硫酸ナトリウム、チオール基(SH基)を有する成分から選択
      チオグリコール酸系、システイン系の他にもシステアミン、ブチロラクトンチオール、チオグリコール酸グリセリルなど、医薬部外品には配合できない還元剤も使用可能。
  • 02性能

    • 剤型(さらさらした液状、とろみのある乳液状、クリーム状など)
    • 質感(さらさら、しっとりなど)
    • 着色、香料、コンセプト成分

 

作りたいパーマ剤の規格、性能の設定が難しい場合は、目標品(ベンチマーク品)があるとスムーズです。

 

注意点:「洗い流すヘアセット料に関する自主基準」により、チオール基を有する成分(還元剤)の上限値が設定されています。

  • パーマ剤有効成分であるシステイン類、チオグリコール酸類は合算でチオグリコール酸換算総量2.0%未満であること
  • チオール基を有する成分の上限値は、チオグリコール酸換算総量7.0%以下であること

 

自主基準以外では、平成30年12月の毒劇法改正により、チオグリコール酸が劇物に指定されています。

『メルカプト酢酸及びこれを含有する製剤。ただし、メルカプト酢酸1%以下を含有するものを除く。』

※メルカプト酢酸はチオグリコール酸の別名です。

医薬部外品は毒劇法の適用範囲外ですが、化粧品のヘアセット料にチオグリコール酸を配合する場合は注意が必要です。

還元剤の特徴

医薬部外品

  • チオグリコール酸塩: 毛髪内に浸透しやすく、健康毛や硬い髪にもしっかりかかります。 独特の臭気あり。
  • システイン: ダメージ毛に適しています。 ウェーブの仕上がりが自然で感触が良く、臭いが少ない。

 

化粧品

代表的な還元剤

  • システアミン:幅広いpH領域で強いカール形成力があります。独特の残臭あり。

  • チオグリセリン:保湿感のある仕上がりが得られます。残臭はチオグリコール酸に近似。

  • ブチロラクトンチオール:酸性領域で強いカール形成力があります。用時調製型製剤。独特の原料臭あり。

  • チオグリコール酸グリセリル:酸性から中性領域で強いカール形成力があります。用時調製型製剤。残臭少。

 

サロンオリジナルのパーマ剤、カーリング料のOEM・PBに興味のあるお客様は、コールドパーマ誕生直後から70年以上パーマの研究を続ける当社にぜひご相談ください。

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